「光触媒」。 この言葉は、長年 “夢の技術” として語られてきました。
光が当たるだけで除菌・抗ウイルス
空気が浄化され、臭いや有機物が分解
建物やガラスが汚れない
人が触れなくても表面が清潔に保たれる
しかし──本当にそうなのでしょうか?
2025年現在、研究・実用化・施工現場での検証が進み、「光触媒に関する言説」と「実際の性能」には、大きなギャップがあることが明らかになってきました。
このページでは、科学、実証データ、施工現場の結果をもとに、光触媒について語られてきた情報の本質を整理します。
光触媒とは、光エネルギーを受けて、表面で電子が動き、酸化・還元反応を促進する材料の総称です。
最も知られている材料は 二酸化チタン(TiO₂)。
光(特に紫外線)を受けることで電子(e⁻)と正孔(h⁺)が生成され、表面の有機物・菌・臭気などを分解する反応が起こります。
ここまでは正しい認識です。
しかし──ここからが分岐点です。
| 信じられてきたこと | 実際の評価 |
|---|---|
| 光触媒は光だけで水を分解し、 酸素や水素を生む |
➡ それは光電気化学反応(別分類)。TiO₂単体では水を分解しない。
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| 光触媒は超親水性になり、 水が広がって汚れが落ちる |
➡ それはTiO₂薄膜+シリカ系バインダーの複合膜挙動。単独TiO₂とは限らない。
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| 光触媒は半永久的に劣化しない
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➡ 膜剥離・白化・吸着被膜形成で失活が多数報告。
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| 光触媒はどの素材にも 密着して効果が出る |
➡ 実際は施工条件・基材相性・膜構造依存。
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論文では:
完全なガラス基板
清浄環境
強いUV光源
高温焼成TiO₂膜
→ 理想条件で評価。
しかし、実環境は:
油分・排気ガス・室内VOC
表面吸着膜 → 触媒毒化
光量不足
バインダー入り複合膜
→ 再現されないケース多数。
2000~2015年、光触媒は多くの製品・工法で 万能素材のように紹介されました。
しかし、施工現場では効果が不安定で、近年は自治体・医療機関・建築業界で再評価が進んでいます。
代表的な制限:
光が弱い場所では反応はほぼ停止
汚れ・油膜が表面に付着すると反応そのものが止まる
ドープ光触媒(Cu・Fe・N)は劣化が早い
膜タイプは白化・剥離・曇りなど外観劣化リスクがある
つまり──
光触媒は、万能ではありません。
使える条件と使えない条件が存在する技術です。
2025年現在、材料科学の世界では「光触媒=膜を作る技術」という枠組みから、
👉 “非膜型の表面制御技術” へ進化が始まっています。
ここで登場するのが:
REDOXは、従来の光触媒とは構造も挙動も原理も違います。
| 比較軸 | 従来光触媒 | REDOX |
|---|---|---|
| 形態 | 膜(コーティング) | 非膜(電子吸着) |
| 濡れ性 | 超親水(水が広がる) | 疎水(水が弾く) |
| 劣化 | 白化・膜崩壊・吸着毒化 | 粒子なし・膜なし→劣化要因が少ない |
| 光依存性 | 強い | 弱光でも反応(電子授受維持) |
| 素材対応 | 限定的 | 幅広い素材に適用 |
“光触媒=正しい。しかし万能ではない。”
そして今、
「膜ではなく、表面を変える技術」へ進化している。
光触媒の時代は終わったのではなく──
正しく理解し、進化した形で活用される段階に入りました。