『光が当たると光を吸収して化学反応を起こし、その過程で自身は変化しない物質』のことで酸化チタン以外にはありません。
光とは何?
光触媒は紫外線で反応すると言われていますが? そうではありません。
紫外線に多く含まれている光子(フォトン)で反応しているのです。
実は可視光線にも光子が含まれているのですが、少量なので反応するのが解り辛いのです。
また、光子は素粒子であり、量子力学では波動エネルギーに関係します。
光を吸収して化学反応を起こすとは?
光を吸収して起こす反応とは光電効果反応であり、この反応を起こす物質は沢山あるのですが、反応後に自身が変化してしまいます。例えば、酸化亜鉛や酸化タングステン、酸化鉄、酸化銀、酸化珪素など。変色したり溶けたりといった変化が起こります。その点、酸化チタンは全く変化しない物資として唯一な物質なのです。
酸化チタンに光が当たると、空気中の酸素を吸着して、「原子状活性酸素」に変わることで、有機物などを分解できることは、100年以上前に発見されていました。
光触媒の歴史
光触媒の発見は日本のようにいわれていますが・・・
1911年ドイツの科学者達によって、研究が行われ、後、酸化物TiO2が、「酸素の存在下で紫外線の吸収により、表面で活性酸素種の生成を導き、光酸化を通じて有機化学的なしみを生じる現象」を発見したのがはじまりです。
しかし、実用性のある応用が見つからなかったことから、研究者の関心は薄れ光触媒の研究は停滞してしまったようです。
日本では、1965年、東大薬学部の管孝男が「光触媒作用の速度と機構」という総説論文を専門誌に掲載しているのが最初のようです。
そして約30年前、酸化チタンに混ぜ物をした様々な製品が普及しました。
ところが、混ぜ物が含まれていると、対象物の吸着により、施工面の美観や質感を損なうだけでなく、空気と接していてこそ、光触媒機能を発揮する酸化チタンが、吸着された対象物に覆われてしまい、分解作用を発揮できなくなります。
1972年、酸化チタンと白金の電極の間で水の電気化学的光分解が発生していることを発見した。
これを「ホンダ・フジシマ効果」といい、日本の光触媒の発見とも言われるようになりました。
実は、この現象、光電気化学反応であり光触媒反応ではありません。水の中で、電気化学セルの電極に半導体を用い、半導体電極に光を当てたときの現象なのです。
光触媒反応は酸化チタンが「酸素の存在下(空気中)で紫外線の吸収により、表面で活性酸素種を生成する。」とはまったく違いますね。
その後は、混ぜ物をする研究へと導かれたのです。