このような症状が1、2個以上あらわれる病気をシックハウス症候群といいます。
日本ではシックハウス対策として、厚生労働省より揮発性有機化合物(VOC)の室内濃度指針値が公表されています(表)。
この室内濃度指針値は、「現時点で入手可能な毒性に係る科学的知見から、ヒトがその濃度の空気を一生涯にわたって摂取しても、健康への有害な影響は受けないであろうと判断される値を算出したもの。」です。また、厚生労働省では室内空気質における、上の13物質以外の物質も含めた総揮発性有機化合物(TVOC)の暫定目標値を400μg/m³としています。(厚生労働省Webページを参照)
国の指針値を超える濃度の化学物質が検出されていないにもかかわらず、シックハウス症状が出ることもあります。その原因の一つとして、日本ではTVOCの計測がまだ一般的ではないことが挙げられます。
下は、1.5㎥に100mlのREDOXを噴霧し、24時間放置する試験の結果です。REDOXはTVOCを減少させることができました。
ホルムアルデヒドは、刺激臭のある無色の気体です(水溶液はホルマリンでフェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂などの原料となっています)。
安価かつ殺菌・殺虫・防腐作用があることから、接着剤や塗料、建材に使用されており、フローリングや壁紙などから発散されます。世界保健機構(WHO)では、その大変揮発しやすい性質から、高揮発性有機化合物(VVOC)としてVOCと区別しています。
下は、REDOX加工、S社の光触媒を加工、ブランク(何もしていない状態)におけるホルムアルデヒドと二酸化炭素濃度を計測した表と、それをグラフ化したものです。
REDOXとS社光触媒は、ともにホルムアルデヒド濃度を減少させています。しかし、二酸化炭素濃度を見てみると、REDOXでは二酸化炭素が発生していますが、S社光触媒では全く発生していません。
ここで注意していただきたいのは、ホルムアルデヒドが分解される際には必ず二酸化炭素が発生する、ということです。
S社光触媒の「二酸化炭素を発生させずにホルムアルデヒドを減らしている」というデータは「ホルムアルデヒドを吸着している」ことを意味するのです。
一方、REDOXが「ホルムアルデヒドを減少させ、かつ二酸化炭素を発生させている」ということは、「ホルムアルデヒドを分解し、二酸化炭素(と水)に変えている」ということ。反応式で示すと、
HCHO+O2→CO2+H2O
となります。
REDOXには、ホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物を「分解」することができるという強みがあります。
試験データの除去率や減少量に注目されるのは当然ですが、それが「分解」によるものか、「吸着」によるものかを見分けることの方が、光触媒の性能を測る上では重要です。
ちなみに、有機物を分解しても二酸化炭素と水が発生しますので、「二酸化炭素濃度の計測」を行なうことは、光触媒による「分解」性能を測る際のスタンダードであって欲しいところです。が、今のところ適切な試験方法が確立されているとは言えません。