• 和歌山発・世界で唯一の「素粒子チタンREDOXハイブリッド触媒」

REDOXの原点 ― なぜ、当時は進まなかったのか ―

私たちは過去に、展示会への出展をはじめ、数多くの大手企業とお話をさせていただき、REDOXについて説明してきました。
しかし結果として、その多くは実用化・事業化には至りませんでした。
その理由は、技術が劣っていたからではありません。
当時の最大の理由は二つあります。
一つは、私自身がREDOXの本質をまだ完全に掴みきれていなかったこと。
もう一つは、REDOXを「光触媒の延長線上の技術」として捉えていたことです。
そのため説明も、「光触媒に近いが少し違う技術」「光触媒より穏やかな技術」という曖昧な位置づけになっていました。
結果として、評価する側から見れば「光触媒と同じ物差しで測れないなら意味がない」「既存技術と置き換える理由が弱い」と判断されるのは当然でした。
また、協力してくださっていた研究者・技術者・企業関係者の多くが、それぞれの組織事情や研究テーマの変更により、次々と離れていきました。
大企業の研究開発は「既存事業と整合するか」「短期で成果が出るか」が前提になります。
REDOXは、粒子や膜といった従来の技術概念に属さず、既存の評価制度にも収まらない、長期的な“状態の変化”を扱う技術です。その本質ゆえに、当時の組織的な研究開発の枠組みとは、構造的に相性の悪い存在でした。

SBIR採択の意味― 巨大組織に勝てなかったが、国は技術を認めてくれた ―
REDOXは当時(2007年)、国のSBIR(Small Business Innovation Research)挑戦事業に採択されました。
この事業は、既存産業の延長ではなく、「本質的に新しい技術」を育てるための国家プロジェクトです。
当時、和歌山県での採択は1件。
全国的にも極めて少ない採択数だったと聞いています。
これは、事業規模や企業力ではなく、「技術の独自性」と「将来性」だけで評価された結果でした。
しかし現実には、国が技術として認めても、巨大組織の論理と市場構造には勝てなかった。
それが当時の正直な結果です。
ただし、これは敗北ではありません。
当時は「評価制度が反応中心だった」「光触媒の神話が強すぎた」「私自身の技術定義も未成熟だった」
その三つが重なっていただけです。

今のREDOXは違います。
REDOXは「分解する技術」でも「抗菌率を競う技術」でもなく、表面を構成する原子そのものがチタンの性質として存在する状態をつくり、汚れや微生物が定着しにくい“表面環境”を長期に維持する技術であることが、明確になっています。
つまり、
過去:「光触媒に似た何か」
現在:「評価制度がまだ追いついていない状態制御技術」
SBIRは、まさにこのような“測れないが、本質的な技術”を守るための制度です。
展示会で評価されなかったことは、REDOXが弱かったからではありません。
ただ、時代と制度が、まだ追いついていなかっただけです。
そして今、技術の定義が整い、技術の立ち位置が定まり、REDOXはようやく「語れる技術」になりました。
SBIR採択は、過去の出来事ではなく、REDOXが最初から“本物の技術”であったことを示す原点です。
今、再びSBIRが意味を持つのは、REDOXが完成に近づいたからではなく、社会の側が、ようやくREDOXを受け取れる段階に来たからなのです。

SBIRとは、Small Business Innovation Research(中小企業技術革新制度)

REDOXの開発と歩み。

1989年 伝統産業工芸紀州漆器の職工であった開発者清水雅史は、木製漆器の製造社を開業設立。
2003年頃 廉価で大量に輸入される中国製品との差別化のため、特に漆器黒面への防汚目的で光触媒コーディングを施す試みを開始。しかし、何れの類剤も漆器表面に害を及ぼすなど効果がなかった。
2004年頃 自ら光触媒の研究を開始。製造方法と過程に関する独自の発想と理論(無色透明!)を持つに至り、独自製品開発のために試行錯誤。
2005年8月 ゆかコラボレーション株式会社(前ゆかコーポレーション有限会社)を設立。主に、自社工房及び関係地場産業が製造する製品類のインターネット通信販売が目的であったが、同社で上述の光触媒コーティング剤の開発も行うことに。
2005年10月 これまでに類を見ない高濃度な無色透明の酸化チタン分散液が偶然誕生。6か月経過しても透明を維持していた。再現実験を開始するが、透明を維持できるのは長くて1〜2か月。その後は白濁してしまうことで製品としては未完成であった。電子顕微鏡の画像(画像PDF)にて、ナノ粒子分散であることを確認。
2005年11月 無色透明の酸化チタン分散液は消臭・抗菌・防汚試験にてそれぞれ高機能な能力数値を示すが、不透明になったものは能力が半減し持続性もないことを確認。
2006年5月 京都大学大学院農学研究科食品生物学専攻・安達修二教授の研究室にて粒度を測定したところ、2~5ナノメートルの超微細な酸化チタン粒子が確認できた
2006年9月 平成18年度わかやま版新連携共同研究事業の採択を受け、事業化に向けた製造のキーを得る。透明を維持する製品と透明から白濁する製品を日機装株式会社研究所にてそれぞれ粒度測定。透明から白濁する製品は3ナノメートル以下、白濁した製品は50~150ナノメートルであることを確認。全く透明な製品の粒度は測定できなかった(これがREDOXであった)
2006年11月 製造特許の出願「酸化チタン粒子分散液の製造方法」
2006年12月 無色透明を長期的に維持できる酸化チタン分散液を解明し「REDOX」として商標出願。
2007年5月 「ラマン散乱スペクトル、赤外線吸収の測定」(和歌山大学システム工学科、伊東千尋教授)により、REDOXには酸化チタン前駆体が分散していることが判明。
2007年7月 「中小企業・ベンチャー挑戦支援事業のうち事業化支援事業」(中小企業庁)に採択。≪SBIR(Small Business Innovation Research)挑戦事業≫
2007年8月 「皮膚刺激性試験」「急性経皮毒性試験」「急性経口毒性試験」(日精バイリス株式会社滋賀研究所)を実施し、安全性を確認。「REDOX」として商標登録。国際特許出願(PTC)韓国・中国・台湾(ETC)ヨーロッパ。
2008年2月

「酸化チタン粒子分散液の製造方法」(特許第4077495号)
本特許は、わかやま版新連携研究事業に基づき取得されたものです。
なお、無色透明を維持する中核製造技術そのものは対象とせず、経済産業省指導員の助言により特許化せずブラックボックスとして管理されています。
これは、REDOXの本質が粒子ではなく「表面状態をつくる技術」にあるためです。

2008年5月 REDOXを洗剤に添加することで、洗浄力の強化、消臭・抗菌・防汚効果を発揮することから、REDOX配合の洗剤を開発。
2008年6月 REDOXの化粧水を開発。(月華の如くシリーズを化粧品メーカーと企画。)
2008年8月 台湾にて化粧品登録・販売開始。品名「月華水」。

公的な発表の場

2008
〜2010年
中小企業基盤機構(経済産業省)主催の展示会に出展。

  • 中小企業総合展2008 in KANSAI(インテックス大阪)
  • 中小企業総合展2008 in TOKYO(東京国際展示場)
  • 中小企業総合展2009 in KANSAI(インテックス大阪)
  • 中小企業総合展2009 in TOKYO(東京国際展示場)
  • ベンチャーフェアーJAPAN2009(東京国際フォーラム)
  • 中小企業総合展2010 in KANSAI(インテックス大阪)
  • 中小企業総合展2010 in TOKYO(東京国際展示場)
  • ベンチャーフェアーJAPAN2010(東京国際フォーラム)

当時は光触媒の絶頂期で、関連出展者は50社を超えていました。
(株)TOTOの出願特許を起点に、上場企業が一斉に光触媒事業へ参入し、光触媒関連特許出願数は約2万件に達していました。

市場全体が「粒子型光触媒」を前提とする閉じた構造にあったため、
粒子でも膜でもないREDOXは、その枠組みの中では受け入れられにくい存在でした。

2010年 東京ドームラクーア、電通本社ビル、築地ビルにREDOXを施工。
2014年6月 REDOXをYURIXとして韓国で販売。
2017年8月 ベトナム法人VIET-JAと業務提携基本契約を締結。
2017年12月 REDOX製造販売会社として株式会社RUMMY設立。
2020年9月 REDOXをOEM製品クオクリア(Quarklear)として販売開始。
2021年10月 商標変更。商標登録証 第6463923号「REDOX」である