
REDOXの表面では、酸化還元反応に伴う電子のやり取りが一時的に起きています。
ただしそれは、電子が溜まる、特定の状態が固定される、目に見える形で残るというものではありません。
REDOXは、反応が起きても暴走せず、すぐに元に戻る表面状態をつくる技術です。
Ti³⁺やTi⁴⁺という表記は、**原子レベルでの電子状態(価数)**を示すものであり、物質としての形や色を直接示すものではありません。
電子顕微鏡は、粒子の形態や結晶構造、元素分布を観察できますが、個々の原子がどの価数状態にあるかを像や色として直接「見る」ことはできません。
Ti³⁺とTi⁴⁺の違いは、チタン原子が保持している電子の数が1つ異なるだけです。
これは、粒子サイズの違い、結晶構造の違い、形として観測できる変化ではありません。
あくまで、原子そのものの電子状態の変化です。
Ti³⁺の存在は、XPS(X線光電子分光)EPR(電子スピン共鳴)吸収分光といった、電子状態を解析する分光法によって間接的に検出されます。
「Ti³⁺は青色を示す」と説明されることがありますが、それはバルク材料として一定量が存在する場合の話です。
REDOXのような表面近傍・超微量・動的な状態では、肉眼で確認できる色変化はほぼ起こりません。
結論から言えば、はい。
表面およびその近傍では、Ti³⁺に相当する電子状態が一時的に生じている可能性は高いと考えられます。
有機物の分解や変質が起きているということは、電子の授受(酸化還元)が起きていることを意味するからです。
REDOXにおけるTi³⁺は、固定されない、蓄積されない、目に見える形で残らない電子状態です。
電子は、生じて → 次の反応に渡り → 元の状態に戻るという
非定常で瞬間的な振る舞いをします。
つまり、
Ti³⁺は主役ではなく、通過点
です。
従来の光触媒技術では、Ti³⁺を安定化させる、酸素欠陥を固定する、電子を溜め込むといった設計が行われてきました。
その結果として、強すぎる分解反応、白化・濁り、表面劣化、長期耐久性の低下といった問題も生じてきました。
REDOXは、この設計思想を意図的に採っていません。
REDOXの本質は、
電子状態が一瞬だけ偏り、
すぐに解放される“場”をつくること
です。
その結果、表面を覆わない、粒子を残さない、見た目を変えないまま、汚れや有機物が
定着しにくい表面環境が形成されます。
REDOXは、暗所でTi³⁺が安定して存在し続けるとは考えていません。
光で生じた電子状態が、湿度・酸素・温度などの環境条件により、ゆっくりと緩和・移行していく現象は起こり得ます。
これは、「反応が続いている」のではなく、「状態が静かに戻っていく過程」と理解するのが適切です。
表面で反応が起きている以上、Ti³⁺に相当する電子状態は一時的に発生している
しかしREDOXは、それを固定・強調・蓄積しない
REDOXが重視しているのは、Ti³⁺が「存在すること」ではなく「残らないこと」
REDOXとは、反応を起こす技術ではなく、反応が暴走しない環境を整える技術です。
REDOXでは反応は起きています。
ただし、電子を溜めず、残さず、表面を傷めない形で進むよう設計されています。